SAI構造設計事務所ホーム > 保有技術 > 設計用入力地震動の作成
時刻歴解析において、エルセントロ、タフトなどの、これまでに実際に観測された地震動(既存波、観測波)のほかに、「人工地震動」と呼ばれるものを用います。既存波は建設地ではない場所で得られたもので、周期特性にクセがあり、そのクセを(結果的に)さけるような設計になってしまう場合が見られます。そのため、建設地の地盤の周期特性を的確に反映した地震動を「人工的に」作って、設計用入力地震動とすることが一般的になってきています。
以下に、人工地震動のうち「告示波」と呼ばれる地震動を作成した例を示します。
告示波作成のフロー
地下深くの「工学的基盤」と呼ばれる硬い地層での地震動(加速度波形)を求めます。
工学的基盤では、全国で同じ周期特性を有する、と仮定されます。ターゲット(告示で規定される周期特性)に適合する地震動をシミュレーションにより求めます。位相特性を変えて、3波程度作成するのが一般的です。
工学的基盤での加速度応答スペクトル(周期特性)

工学的基盤での加速度波形

建設地の地盤は多種多様で、揺れ方は違います。地盤をモデル化し、応答解析することで建設地の地盤特性を反映した入力地震動(地表面の揺れ)を作成します。このモデルを作成するため(せん断波速度を得る)に、「PS検層」という、地盤の硬さの調査が必要になります。
地盤のモデル化
| No. | 深度(m) | 地質 | 単位体積重量(tf/m3) | せん断波速度(m/s) | 歪依存特性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 0.00〜5.80 | 礫混じり砂質粘土 | 1.7 | 202 | 粘性土 |
| 2 | 5.80〜6.90 | シルト質粘土 | 1.7 | 244 | 粘性土 |
| 3 | 6.90〜11.70 | 礫混じり砂質粘土 | 1.7 | 296 | 粘性土 |
| 4 | 11.70〜12.80 | 砂質粘土 | 1.7 | 331 | 粘性土 |
| 5 | 12.80〜15.00 | 固結粘土 | 1.8 | 332 | 粘性土 |
| 6 | 15.00〜18.70 | 固結粘土 | 1.8 | 333(400) | 粘性土 |
*N.6は工学的基盤
最大加速度307ガルの地震動が作成されました。これを入力地震動として、建物の時刻歴解析モデルに入力します。周期特性を見ると、0.2秒前後で地盤特性により揺れが増幅していることがわかります。
地表面の加速度波形

工学的基盤での加速度応答スペクトル(周期特性)



